また1からこつこつと

最高はひとつじゃないと信じてまたがんばります。

ミッチェル・レズニック教授にお会いしていろいろ考えた

僕は常日頃からScratchに関する活動をしているわけですが、そのScratchの生みの親であるMITメディアラボのミッチェル・レズニック教授にお会いしてお話する機会があった。

きっかけはベネッセ主催のこのイベント。

event.benesse.co.jp

ミッチさんは3年前MITに行った時にもお会いしているんだけど、そのときはCoderDojoとかやってなかったし、なんか背の高い人がいらっしゃるなぁという印象しかウケなかった。だけど今はいろいろやってるわけでして、これは話を聞きに行くしか無いと思い参加しました。

ちなみに上田先生も実はMITに行った時にお会いしてる。実はボストンから帰る飛行機がエンジントラブルで飛ばず延泊することになり、朝食の席でいろいろお話をさせてもらった。

www.youtube.com

 

ここからはお二人のお話の簡単なまとめと考えたことについて書く。

 

The Spirit of Yet

上田先生は、学びには3つの風景があると言う。

  1. Learning1.0 Instructionを基本とした学び(School型)⇒GET
  2. Learning2.0 Designingを基本とした学び(Studio型)⇒MAKE
  3. Learning3.0 Loveを基本とした学び(Stage)⇒ENTERTAIN

現行の学校での学びはまだLearning1.0の状態である。これは教師となる人から知識をGETするだけ。最近ではLearning2.0を取り入れている活動が多くなってきてはいる。例えばScratchを使った学びだってそうだし、なにかを作ることで学びを得るという手法。さらにそれを発展させてLearning3.0、Loveを基本とした学びをしていくのがいい。

午前中に開催されたワークショップでは、この3つのスタイル全てを使ってやったとのこと。子どもたちがみんなで映像を作るのだけど、ダンスをしたりいろいろな工夫をしていっていた。見ていておもしろい映像だった。

また、チャレンジ恐れず、チャレンジすることを楽しむことも大事だと言う。1人ではできないが仲間とならできることはたくさんある。それを考えていくことが重要。

そして、まだまだできるんだということを確認する。「伸びしろ」的な考えで、子どもたちにはその伸びしろがたくさんある。だから、The Spirit of Yet!なのです。

 

Projects, Peers, Passion, Play

カリフォルニアに住んでいる絵を描くのが好きな女の子の話からスタート。彼女はScratchを使って自分が描いた絵に「命」を吹き込んでいる。彼女はそれを通じて体系的に物事を学び、プログラミングができるようになっていた。

彼女はScratchのWebサイトで作品をシェアして、自分の書いたキャラクタを使ってよいとしており、結構大きなムーブメントに発展していった。

これからの時代、何が起こるかわからない。予期しないじょうきょうにあってもクリエイティブな考えをしていくことが重要である。そのような時代に直面する若者たちにとって重要なのが以下の4点。

  1. Projects プロジェクト
  2. Peers 仲間(共同作業9
  3. Passion 情熱
  4. Play 遊び

自分でなにかプロジェクトを起こし、仲間とともに共同作業していく。(クリエイティブなことは1人ではなく仲間と作業している時に生まれてくる)そのプロジェクトに情熱をもって取りくんでいく。遊びとは、ただ楽しむことだけでなくある種の態度、姿勢のことを言っている。遊び心のあるアプローチ、これがクリエイティブな学びなのである。

これらのことが一番表れている場所は、幼稚園である。だから、レズニック教授の研究室の名前は、「Life Long Kindergarten」。

プログラミングは、CreativeThinkerになる手助けをしているだけで、プログラマになるためにしているわけではない。

私たちは学校で読み書きから学ぶが、学ぶために読み書きを学んでいるのである。それと同様、プログラミング「を」学ぶのではなく、学ぶためにプログラミングをしてほしいと願っている。

考えたこと

ほんと吸い込まれるようなお話だった。まず上田先生の提唱している「楽しさの中にある学び」について、ボストンでおはなししてから授業というものへの視点が変わりました。そして今回それを自分が教える立場になって聞くと、やはりDojoのような学校以外の学びの場では特に楽しさを重視していくべきであると思った。

また、レズニック教授の4Pに考えについて。2番目のPeersというのが自分にとっては衝撃的だった。言われてみればその通りなんだけど、僕は作業をするときに1人でやることが多いので、実はあまりクリエイティブなことができてないんじゃないかなと思った。Dojoでも取り入れよう。

生徒同士の教え合いについて

これが一番聞きたかった。最近学生が学生に教える形が増えてきて、自分としては結構長いことやってきているのでそれについてどう思っているかつたない英語で聞いてみた。レズニック教授いわく、

それはとても素晴らしい行動だと思う。ScratchのWebサイトでも、子どもたち同士で教え合ったり学び合ったりしている。そのようなムーブメントは素晴らしいよ。

これは決して意訳したわけではない!

ほんとにこう言ってくださったのだ。とても嬉しかった。また、CoderDojo Kashiwaの様子を映像で紹介させてもらって、それにもコメントを頂いた。

とても大規模で開催しているね。子どもたちの笑顔がとても良い。これからもがんばってほしい。

やはりその道のトップの方と直接お話しできるのはいいことだな。これからも一層精進していこうと感じました。

お見せしたのはこちらの映像。

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あと、英語まじでやろうと思った。山内くんが英語でぺらぺらレズニック教授と話しててやっぱああならないとダメだな。英語本格的にやります。今年はSwiftと英語できるようになろう。