また1からこつこつと

最高はひとつじゃないと信じてまたがんばります。

1から卒業アルバムを作ってるお話

皆さんの中学・高校時代の卒業アルバムはいろいろな思い出が詰まった大事な一冊だと思う。
うちの学校はとても不思議な事に卒業アルバムの最初から最後まですべて生徒たちの手によって製作される。
もっとすごいことに、その中には生徒たちの個人写真も含まれており、どんな格好で写ろうがどこで撮ろうがすべて生徒たちの自由に任されている。

控えめに言っておかしい

この伝統はどうやらかなり昔からのようで、僕が見た最古のアルバムが1997年卒の方々のものなんだけどその時にはすでに手作りだった。
当時はみんなパソコンとか使うわけじゃなく、写真を台紙に切り貼りして作る、文字通り手作り感満載のものだった。
生徒たちが作るからこそめちゃくちゃ見てておもしろい。たまにぶっ飛んだ代の卒アルとかあってすごい。今だったら確実にできないようなことを平気でやってのける諸先輩方すごすぎます。

さて、そんなこんなで今年のアルバムのお話。主管から「お前やりそうだからやれ」と言われアルバム委員になったわけですが、気づいたら委員長になっていた。
大学進学のための試験が終わってから2週間、怒涛の日々を過ごし身も心も疲弊したので、後輩くんたちへの警鐘という意味でもこのブログを書く。

アルバム委員の仕事

アルバムを構成する要素は以下のとおり。

  • 学校の写真(教室とか校舎全体とか)
  • 生徒全体の集合写真
  • 常勤の先生方の個人写真
  • 非常勤・職員の先生方の写真
  • 各クラスの個人写真 x5クラス
  • 各クラスのクラススナップ x5クラス
  • 部活動/委員会の写真
  • 行事の写真(入学式から最後の球技祭まで)
  • アルバム委員の編集後記ページ
  • 院歌

多い💢
これだけの写真をすべて生徒たちで撮影し、選定し、貼る。
この中で一番めんどくさく、大変な作業は先生方の写真撮影だった。特に、女性の先生方の場合にはその日いって撮らせてくださいと言うわけにはいかない。やはりメイクアップの時間が必要なのである。
また、うちの学校には「研究日」という制度があり、月-土の6日のうち1日は学校に来ない日がある。
さらに、非常勤の先生方の場合には、1週間に一度しか来られないというパターンもある。
それらを全てリストアップして1つずつアポを取り撮影していく作業はめんどくさいことこの上なかった。
今年は早い段階からGoogle Driveを委員会の中に導入していたので、ある程度は簡略化されたかもしれないけど、それでも負担は大きい。

ほんとに辛かった...

もちろん部活動の写真も撮らないといけないし、自分たちのクラスの写真も撮影しないといけない。外部受験組は3学期に学校に来ることがほとんどないので、すべて2学期に撮り終え無ければならなかった。これを取り逃すと厳しいことが待っている。

あと、非常勤の先生方は顔と名前が一致しないことのほうが多い。撮影するときもどの方がどの人でっていうのがわからない。
そんな時には学校の生き字引的存在の先生に聞くのが一番いい。写真見せて名前と教科を聞くのが早い。

写真の選定

先ほど、ほとんどの写真を自分たちで撮らないといけないと言ったが、そうでないものもある。それは、学校行事の写真である。
専属のカメラマンさん(業者)が行事に同行し撮影してくれた素材を提供してくれる。修学旅行や文化祭、ほとんどの行事に来てくれるためそこはすごく助かった。
…しかし、写真があったとしても大変な作業がある。
それが、写真の選定である。
なにがめんどくさいって、写真の枚数は多いし、しかもプロのカメラマンさんだからみんなうまい。写真の取捨選択がとても大変だった。
1日だけの単発行事とかだったらまだ枚数は少ない。院内大会とか、柔道納会とか。しかし、スキー学校や沖縄研修旅行などの複数日に渡る行事はもはや苦行。
単純作業というわけにもいかず、常に頭を使う作業なので辛く厳しい。

扱い方がわからない一眼

撮影は学校が持っている一眼レフを借りて行った。20Dだったかな。
僕はカメラを触ったことがほぼほぼ初めてに近く、今回で大分いろんなことを覚えることができた。
とは言え、ずぶの素人には変わりないわけで、扱いに苦労したことが何度もある。
なぜかわからないけどめちゃくちゃ暗い写真になっちゃったり、シャッタースピードが遅すぎてブレッブレの写真になってしまったり...
カメラわかる人が撮らないと大変なことになる。
幸い、委員のひとりにめっちゃカメラできる子がいて本当に助かった。

ひどい写真を復元すべく、AdobeCCに入ってるLightroomでいろいろゴニョゴニョやったり。中々大変な作業だった。

来年からはiPhoneを使うことをオススメする。正直iPhoneで十分な気がする。6Sで12MPだからね。

扱い方がわからないPhotoshop

うちの学校が契約している卒業アルバム製作会社は、データの納品が.psdファイルだった。
ただ、Photoshopなんてごく一部の人間しかちゃんと使えないし、初学者がぱっと習得できるようなアプリケーションではない。
幸い僕は文化祭を経てPhotoshopがなんとなく使えるようになってたので、とりあえずみんなに教えるワークショップ開いた。
学校のノートPC(Windows8 Core i3)にPhotoshopCCが搭載されているのだが、スペックがスペックなだけあり動作がめっちゃモッサリしてる。
途中でPhotoshopが落ちることもしばしば。劣悪な作業環境だ。
そして、説明したとしても苦手な子たちは必然的に作業進捗が遅くなる。それどころか「Photoshopアレルギー」とでも言えるような子たちはだんだん来なくなる笑
一昔前だったら手作業だったからみんなでぱぱっとできたのかもしれないけど、デジタル化したからこそ発生する弊害もある。
あと、学校のノートPCにしかPhotoshop入っていない子がほとんどなので(僕以外みんなそう)家での作業ができない。明日までに仕上げなきゃいけない作業とかは全て僕案件になる。厳しいですな。

これはどうすればいいんだろうな。もっと早くから着工する以外に解決策ない気がする。

データの管理

複数人で作業する場合などに一番問題となるのが、データの管理方法である。今回は学校が用意してくれた1TBのHDDに保存していったのだが、このHDDが曲者だった。
そもそもの問題点として、うちの学内ネットワーク環境とかの制約もあり、貸し出されているノートPC本体にデータを保存しておくことができない。毎回リセットされる。
だからすべての作業進捗は外部に保存するしか無いんだけど、HDDが1つだと作業が遅くなる。
例えば、膨大な写真データから使える写真を選定する作業。データはすべてHDDに保存されているわけだから、そのHDDが必要になる。
でも行事は複数あるし、並行して作業を進めたいがそれができない。
これはかなりイライラするものだった。
結局増やすために僕は自前でHDDを購入した。(ただし、Mac用にフォーマットしたためWindows機で読めないという事故が発生した)
ここ、来年以降どうにかしておきたい。

そして、もともと学校が購入していたHDDがかなり不調で、保存したはずの写真が消えていたり、psdファイルの変更が反映されていなかったり...
作業環境が劣悪すぎてほんと泣きそうになってた。

業者との認識のズレ

これは仕事してる人間からすると論外な話なんだけど、業者と打ち合わせした時に納期が曖昧なままになってしまっていた。
業者の方が「例年は2月中旬までやってますね」と言っていたので、てっきりそれくらいまで作業してていいんだろうなと思ってたんだけど、いきなり今週末でお願いしますとか、どうにか1週間のばしてもらったけどこれが限度ですとか。
そこはしっかり確認しておくべきだったなと反省してる。早いうちから納期わかってればあんなに辛い1週間過ごさずに済んだ。

できる人にしわ寄せがいく

これはもうどこの組織でもそうなんだろうけど、スキルがある人のところにしわ寄せがどんどん溜まっていく。今回はタスクが降り積もりすぎてて、ほんとに倒れるかと思った。
先述したPhotoshopの使い方とかもそうだけど、こればっかりはどうあがいてもしょうがない問題な気がする。
そもそも、こういった作業だったり、行事で委員やったりとかする人が固定化してしまうのが良くない。モチベーションもある程度あり、技術力もあるような人たちが少なすぎる。今回のアルバム委員、85%が高2の沖縄研修旅行の時の学年委員だった。もちろん好きでやってる子もいるだろうけど、大多数が「とりあえずお前がやっておけば大丈夫」みたいなノリに流されやってるパターンだ。
結局「誰ががやってくれるだろう」という心理なんだろうな。倫理の授業でやった「フリーライダー」、多すぎる。

まあ、辛い辛いと言いながら結局良いもの作れてしまうのでしょうがない。これは僕だけじゃなくて、委員みんなのことね。
おかげで良いアルバムを作ることができました。ありがとう。

来年以降への提言

最後に、来年以降の後輩くんたちへの負担が極力減るように、いくつか提言しておく。

【学校側への提言】

  1. 業者との連絡をもう少し蜜に。あと委員長を積極的に巻き込んだほうがいい。
  2. アルバム委員を選ぶときに、内部進学や推薦等で3学期も学校にいる生徒を中心に選ぶべき。
  3. HDDをもう一台購入したい。できれば2台。100GBで十分だから、作業効率を考えて購入すべき。
  4. アルバム委員がすべき仕事をもう少し明確に生徒側に伝えるべき。今年度は僕が資料を残すからそれを必ず伝えてほしい。
  5. (できれば)photoshopがサクサク動くマシンで作業させて... イライラの原因

【生徒たちへの提言】

  1. できる人にしわ寄せがいくのは良くない。
  2. 早め早めに行動したほうがいい
  3. こまめな保存は自分を救う(プログラマの格言)
  4. 担当教員と積極的に関わっていったほうがいい。少しでも疑問に思ったらすぐに質問。ホウレンソウの原則。
  5. かっこつけて一眼とか使わなくていい。iPhoneとかのスマホで十分。

とりあえずこんなところかな。気づいたら原稿用紙10枚以上書いてた。
これを書いている今(2016/01/30)の時点では、第一稿を入稿して現在校正待ちの状態。
もうちょいで作業が終わる。
山場は超えた。もうちょいだ。
終わったらみんなで”反省会”しましょう。


最後に、作業が一番の佳境に差し掛かった時に先生が差し入れしてくれたプリンの写真をお届けします。
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